ステロイド外用薬とは、糖質コルチコイドを薬効成分とした塗り薬であり
消炎・抗炎症作用があるということです。
これは免疫反応を抑制することで皮膚の炎症を抑えることができるため
アトピー性皮膚炎の治療などによく使われています。
背中ニキビにもこの薬が有効なのではないかと考える人も
いるかもしれませんが、一般的に背中ニキビの治療に
この薬を使うことはありません。
糖質コルチコイドの働きと脳への影響
副腎皮質ホルモンの一種である皮質ステロイドは糖質や脂質、タンパク質、
電解質などを代謝したり、これらに対する免疫反応などに関係する大切なホルモンです。
ストレスがかかることによって、身体の神経やホルモンを制御する組織が働くと
皮質ステロイドが多く分泌され、ストレスに反応する働きをコントロールするのに関わったりなど
身体のホメオスタシスを維持するのに大切な役目を果たしています。
ミネラルコルチコイドとグルココルチコイドの2種類に分けることが可能です。
前者は球状の細胞で後者は副腎皮質にある束状の細胞で糖質コルチコイドとも言います。
ストレスはコルチコトロピン放出ホルモンを室傍核にある神経細胞で過剰に分泌させます。
分泌したコルチコトロピン放出ホルモンは、神経細胞を経由して下垂体茎の辺りの毛細血管で放出されて、
下垂体前葉に辿り着き、前葉細胞のACTH分泌細胞に働きかけACTHを分泌する働きを促す訳です。
ACTHは血液の流れに乗って、副腎皮質に辿り着き、束状帯細胞に作用して細胞内の情報が
伝達しやすい状態になり、コレステロールをプログネノロンに転換する働きを促し
グルココルチコイドが多く分泌されるようになります。
このホルモンは脂溶性なので、血液脳関門で制御されずに脳の中に入り直接、神経系の細胞に働きかけ
ACTHやCRHの分泌を制御するだけでなく、このホルモン自身の分泌も制御するのです。
良い薬を正しく使う
背中ニキビは皮膚が炎症を起こしている状態であり、
この薬によって免疫を抑制すれば炎症を抑えることはできます。
しかし、免疫を抑制するとニキビの原因となるアクネ菌が増殖してしまうため
ステロイドによってさらに背中ニキビが治りにくくなってしまうこともあるのです。